家庭教師

私の家庭教師のバイトは派遣タイプで個人契約じゃない。
なんかトラブルあったときに緩衝になるもの欲しいし、
選べば時給も悪くは無いので、派遣タイプにした。
それでだが、今日は月末の報告に行ってきた。
何回行ったか、を報告するわけだ。
んで、担当している子が大学校に筆記では受かった、
面接には行かなかった、
などそのむねを伝えたら、
さらに時給上がる、みたいな話になった。
それで、広告に顔写真を載せてくれ、
みたいに言われた。
普通は良い大学なんて合格しない、
そのような合格できる子を担当できて運が良い、
滅多に無い機会だ、だから載せてくれ、
といったように話を進められた、
もちろん断ったが。
ところで、運がよいというのには同意できる。
気の合う、それでいてある程度勉強してくれる子に当たったのは、
運が良かったと思う。
その子にも言っていたのだけれど、
私は家庭教師が期待されている役割には大きく分けて2つあると思う。
「勉強の習慣付け」と「学力の向上」だ。
で、思うのだけれど、「習慣付け」は比較的容易だが、
「学力の向上」はそれ相応のスキルが必要だろう、と。
「習慣付け」には基本的に家庭教師本人の学力、
ないしは学問に対しての理解度、というものは必要とされない。
勉強をしない子に勉強するように仕向けることは、
学力と言うよりは、なぜ勉強をしないのか、とその子の気質が分かり、
それに対応して勉強するように仕向ければいいだけだからだ。
大抵は、一応してたがよく分からなくなって好きではなくなったからか、
勉強する、という選択肢がもとからないか、だろう。
大抵は選択肢としてないからだろう。
私自身大学生になっていても、ほとんど勉強するなんて選択肢は選ばない。
その辺、家庭教師をやるような人ならば、
勉強するという選択肢を適度に選んできたわけだから、
そのへんを考えて対応すればよいだろう。
で、大変なのが「学力の向上」。
学力を向上させる、ということが何を意味するかと言うと、
テストで点がとれるようになることだろう。
では、テストで点がとれると言うのが何を意味するか、を考えねばならない。
大抵のテストは受験者をふるい落とすものであって、
飛び抜けた才能を拾うものではない。
ということは、間違いの無い幅広い知識、言い換えると穴のない知識が必要となる。
よってここから、教える側に要求される能力が明らかになる。
その生徒の穴を見抜く能力、および、その穴を埋める能力が必要となる。
正直これはかなり難しい能力ではないだろうか。
穴を見抜く、ということは教える側には穴があってはならないし、
穴を埋める、ということは理解していることを明確に伝える説明能力が必要である。
英語の小説などで、和訳されている本を読むか、原文のまま読むか、
どちらが良いのか、というお話がある。
英文を直接読むと色々な文化背景などを含め約6割わかるとする。
もし、訳者の英文理解能力が9割で表現能力つまり翻訳能力がが8割とする。
そのとき、自分の日本語理解能力が8割3分を超えれば、
訳本を読んだほうがより内容を理解できる、ということを言っていた作家がいた。
このことを踏まえれば、理解力と説明力がともに高くなくては穴など埋められまい、
埋めたと思っていても、それはただのパターン暗記に他なるまい、
パターン暗記は大切だが。
そんなわけで
、家庭教師に「学力向上」を期待するのはなかなか難しい話だとは思う。
皆が皆、そんなに優れているわけではない、だいたい、
目に見えて「学力向上」させることができるのならば、
その程度の時給で働くまい。
そう考えていたから私は、
週一度家庭教師がきた位で目に見えて成績があがるわけない、
とその高3の子には言っていたのだが、
今考えてみると、それはそれでどうしようもないなぁ。
とりあえず、どこかしら大学受かってもらいたい。