震災列島/石黒耀

「震災列島」
久しぶりに一気に読みきった。
ハードカバーでなかなか厚くて読みきれないか、とも思っていたのだが、
圧倒的な量の情報を巧く、本当に巧く読ませていく。
これは東海地震を扱った小説で、
名古屋が舞台となっていたのも一気に読んだ要因かもしれない。
素人目には地震を正面から扱う小説のように見えるくらい、
素晴らしい量の地震に関する諸情報が記されている。
そういった本は普段ならば途中で投げ出してしまうのだが、
その情報を要所要所に山を作って、
ぐいぐい引き込まれる物語のなかに混ぜてきて、
かつ地震の情報自体が物語の中心となって進んでいくので、
もう読むしかなくなっていた。
これを読み終わった瞬間、名古屋大の地震研究している人が、
2年以内に90%くらいの確率で地震くる、といっていた、
という話を聞いたことも思い出した。
とりあえず、この土日で防災用品を買い揃えておこう、
と真剣に思うくらい魅せられた。
この人の処女作も今日買ってきた。

震災列島

震災列島